・猫って何回に分けてフードを与えればいい?
・長時間家を空ける日はどのように与えればいい?
・食欲旺盛な猫が他の猫のご飯を横取りしてしまう!
猫は犬と違ってマイペースに食べる子もいれば、犬のようにすぐに食べ切る子もいます。
その猫にとって最適なフードを選んでも、与え方を間違っている人が多いです。
「フードの選び方は分かったけど、与え方がわからない」
そんな方のために、その猫にとっての正しいキャットフードの与え方をわかりやすくお伝えします。
この記事を読めば、フードを与えることでの悩みや不安がなくなります。
自分の猫に適した「食器選び」
どんな食器でもいいんじゃない?
と思われるかもしれませんが、猫は繊細な子が多く、実は食器一つで食欲が変わることがあります。
どんな食器がその猫に適しているかを解説していきます。
浅皿一択!食器の縁にヒゲが当たりにくいもの
猫の食器選びで必須ポイントは浅皿であること。
猫のヒゲの毛根部には神経が豊富にあり、ヒゲに触れた刺激を感知します。
「ヒゲで狭いところを通れるか判断している」と言われるように、ヒゲは敏感な部分のため、食器に当たるだけで気になってしまう猫がいます。
またヒゲとは別ですか、首輪が食器に当たるのが苦手な猫もいます。
もちろんヒゲや首輪が当たっていても全く気にせずガツガツと食べる猫もいますが、多く場合ストレスを感じます。
食器の材質は「耐久性」「安定性」「手入れのしやすさ」で選ぶ
食器の材質には大きく分けて3つ
・陶器
・ステンレス
・プラスチック
があります。(他にもありますがここではよく使用される代表的なものを解説します)
選ぶ際に着目する点は「耐久性」「安定性」「手入れのしやすさ」です。
実際の使用感とメリット・デメリットをそれぞれ表にまとめました。
材質 | 耐久性 | 安定性 | 手入れのしやすさ |
---|---|---|---|
陶器 | ○ | ◎ | △ |
ステンレス | ◎ | ○ | ○ |
プラスチック | △ | △ | ○ |
材質 | メリット | デメリット |
---|---|---|
陶器 | ・豊富なバリエーション ・傷や色、匂いがつきにくい ・割れなければ長持ちする ・安定性が高い | ・割れる恐れがある ・形状がおしゃれなものや高さがついているものは洗いにくい |
ステンレス | ・耐久性は抜群 ・傷や色、匂いがつきにくい ・落としても割れない | ・金属音が苦手な猫は不向き |
プラスチック | ・軽くて扱いやすい ・落としても割れない | ・傷や色、匂いがつきやすい ・傷に雑菌が繁殖しやすい ・安定性に欠ける(底に滑り止めがついていたらOK) ・耐熱性が低いものがある |
個人的にプラスチック製は劣化しやすい印象があるため、ステンレスか陶器がオススメ。
陶器は安定性もあり種類も豊富なため、その猫に合う食器を選びやすいです。
種類が多すぎて迷ってしまう方は、シンプルなデザインが多いステンレスがいいかもしれません。
個人的に一番オススメなのは、浅皿の陶器で高さがあるもの。少し洗いにくいですが…
その材質自体苦手な猫もいるので、一度買って試してみてその猫が気に入った材質を選んであげましょう。
猫がお家に来る前に元々使っていた食器を確認するのも良いかもしれません。
それぞれのメリットデメリットを踏まえて、猫目線で選びましょう。
猫に優しい食べやすい「高さ」
忘れがちなのが食器の高さ。
猫は体が柔軟な動物のため、若くて健康であれば床に置いてもスムーズに食べられるのですが、シニア猫や関節が弱い猫では、顔をかがめなくても食べられる高さがベスト。
また、猫は吐きやすい動物のため、高さをつけてあげることで胃酸の逆流防止や嘔吐防止につながります。
結論、どんな猫でも高さをつけてあげたほうが優しいです。
ただデメリットをあげるとすると、元々高さのついている食器は洗いにくかったり、高さをつける台であれば掃除の手間がかかりますが、それくらいです。
あと、気をつけることは高すぎないことです。足が短い猫もいるので(笑)
ご飯を食べる場所を決める
猫にとって食事の時間は無防備になる時間。
必死に食べているように見えても、周りの音や動きに注意を払っています。
ご飯を食べる場所を決める際のポイントは
・なるべく静かなところ
・周りが見渡せるところ
・水飲み場から離れたところ
を意識して選びましょう。
猫は本能的に清潔な水飲み場を好むため、水飲み場から離れたところで食事を摂る習性があります
また、多頭飼育の場合はそれぞれ縄張り意識を考慮して、その猫専用の食事場所を作ってあげるとgood。
キャットフードの適切な給餌量と給餌回数
猫のご飯の与え方で最も悩みの多い「量と回数」
結論、適切な摂取量を取れていれば、与え方に神経質にならなくても大丈夫!
詳しく解説していきます。
給餌量|1日に何g与えればいい?
基本的にフードの袋に記載されてある、体重当たりの給餌量を目安に与えればOK
太っている場合や痩せている場合、適正体重で給餌量を決める
ずっと一緒に暮らしていると、猫の外見の変化に気づくのは難しいです。
理想体型を知っておくことで体型の変化に早く気づけるため、必ず押さえておきましょう。
予防接種や健康診断で年に1回は体重を測る機会があると思いますが、体重管理が心配な方は1ヶ月に1回は測りましょう。
毎回お皿にグラム数測って与える方法よりも、1日の必要量を密閉容器に入れておいて、与える時は容器からお皿に入れてあげると、毎回グラムを測る手間が削れるのでオススメ
その時のさじ加減で量を増やしたり減らしたりしても1日に与え切るように与えればOK
食事回数|1日に何回与えればいい?
猫によって食べ方は異なり、飼い主さんのライフスタイルによっても与え方は変わるので、正しい答えはありません。
1日に必要な摂取量が確保できれば何回に分けて与えてもOK
しかし猫は空腹だと吐きやすい動物なので、回数が少なすぎるのはNG
できれば4回以上に小分けにして与えるのが理想。
例)起きた後、家を出る前、帰った後、寝る前に など
マイペースに食べる猫は置き餌で与える回数が1回になるかもしれませんが、個人的には少量頻回に与えることをオススメします。(フードの酸化や衛生面の問題点から)
フードの形状はドライがオススメ
猫のフードの形状は大きく分けて2つ「ドライ」と「ウェット」
ドライ | 水分10%以下のフードで、加熱発泡処理された固形状のものがほとんど。 |
ウェット | 水分75%程度のフードで、品質保持のために殺菌工程を経て、 缶詰やレトルトパウチ、アルミトレーに充填されたフード |
それぞれの特徴を表にまとめました。
種類 | 嗜好性 | コスト | 管理のしやすさ |
---|---|---|---|
ドライ | ○ | ○ | ○ |
ウェット | ◎ | △ | △ |
特に懸念材料がなければメインの食事はドライフードがオススメ
最近は少ないですが、ウェットは一般食(栄養の偏りがあるもの)もあるため、ドライフードにトッピングする程度で考えてあげると良いです。
歯周病で歯が弱い場合や、あまりお水を飲んでくれない場合などはウェットフードが推奨されることもあるので、一度近くの動物病院で相談してみてください。
よくある質問と対策方法
よくある悩みとその対策方法を解説していきます。
食欲旺盛な猫が他の猫のご飯を横取りしてしまう
この悩みを私も持っており、すごく悩まされました…
問題点は横取りする猫は肥満、横取りされる猫は栄養不足になること。
・ガツガツ食べる猫の食器を、食べにくい食器に変更する(食べるスピードを遅くする)
・一時的にケージや別部屋に隔離し、猫が食べ終わったら解放する(確実な方法)
※食べるのが遅い方の猫を隔離しましょう。先に食べ終わった方を隔離するとストレスが溜まってしまいます。
・食べている間そばで見ておいて、横取りしそうになった止める
・猫ごとに専用の食事場所を作る
毎回定位置で与えることにより縄張り意識が芽生える(横取りの抑止力)
・与えるタイミングを少しずらす(遅い方から先に与える)
猫の頭数が多ければ多いほど対策は大変になってきます。
私はケージ内での隔離と専用の食事場所、そしてタイミングをずらすことでなんとか対応できています。
家を空ける時間が長い時、猫のご飯はどうしたらいい?
・残業
・出張
・旅行 など
多くの飼い主さんがこの悩みを持っていますが、対策方法はいくつかあります。
・自動給餌器を利用する
・知り合いに頼む
・ペットシッターに頼む
自動給餌器
自動給餌器は名前の通り、自動的にご飯が出てくる機械のこと
種類は大きく分けて2つ「タイマー型」と「通信型」
たくさんの種類の商品がありますが、詳しくは別の記事で解説予定です。
知り合いに頼む
普段から助けてもらえる友達や知り合いがいると心強い
旅行や出張などで家を空ける場合は、事前にお願いをしておきましょう。
物の場所や与える手順など細かく指定していしておくと、頼まれた側も悩むことがなく親切。
ペットシッターに頼む
周りに頼めない場合はペットシッターを利用する方法もあります。
突発的な残業には難しいですが、あらかじめ家を空ける日時がわかっている場合はオススメ。
※ペットホテルはオススメ個人的にはオススメしません
猫が飼い主の元から離れ、慣れない環境で過ごすことは相当なストレスになります。
やむを得ない場合を除き、他の方法で対応できるか検討しましょう。
与えた分を食べてくれない
食欲不振の原因はいくつかあります。
・病気により体調を崩している
・痛みを伴う疾患を患っている
・単に好き嫌いをしている
・ストレスがかかっている(騒音、子供、模様替えなど)
・ご飯が変わった
・食器が気に入らない
などが考えられます。
まずはわかる範囲で食欲が下がっている原因を考えましょう。
・食欲の低下で最も怖いのは病気の存在。食欲がなくて元気がなければ動物病院へ受診しましょう。
・ストレスの対象物がある場合は、可能な範囲で取り除く
・ご飯を変えた後に食べなくなった場合や元々食が細い場合は、そのご飯が合っていない可能性があるので、フードを変えてみるのもひとつ
毎日必要量を食べてくれない場合は、慢性的な疾患の可能性や栄養不足になる可能性があるため、動物病院で相談しましょう。
多頭飼育で置き餌のため、誰がどのくらい食べているかわからない
どれだけ食べているかを確認することは、食欲低下の早期発見や肥満の予防、栄養不足の予防につながるので重要
・置き餌をやめて、少量頻回にそれぞれの猫にご飯を与える
・食事場所の定位置を決める
まとめ
・高さのある食器で負担少なく
・食事回数は最低でも4回
・置き餌はオススメしない
・猫の身体面に問題なければドライフード
・水飲み場から離れた定位置で与える
・食べてくれない=病気の可能性は頭に入れておく